green乗車ガイド Page 3/4

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1.路線
 台北市とその近郊の諸都市を縦横に結ぶ「TRTC」こと、台北大衆捷運公司(以下「台北捷運」と呼びます)。これまで公共交通の主要な担い手だった公車(路線バス)に代わって、今や台北市内の移動には欠くことのできない存在になっています。ちなみに、「捷運」とは耳慣れない言葉ですが、英文表記は「Mass Rapid Transit」(略して「MRT」)。日本語に訳すと「大量高速輸送」ってところでしょうか。いずれにせよあまり馴染みのない表現ですね。まぁ、昔の営団地下鉄(現東京メトロ)の正式名称である「帝都高速度交通営団」と同じようなものと考えるといいかも知れません。
 現在、台北捷運には中正紀念堂と淡水及び新北投の間を結ぶ淡水線、古亭〜南勢角間の中和線、西門〜新店間及び七張〜小碧潭間の新店線、西門〜府中間の板橋線、府中〜永寧間の土城線、西門〜昆陽間の南港線、中山國中〜動物園間の木柵線の7路線があり、このうち木柵線だけがゴムタイヤによる新交通システムを採用。残りの6路線は鉄製の車輪とレールを使った、いわゆる「地下鉄」(軌間1435mm、第3軌条集電方式)です。
 なお、路線の正式名称は上記の通りですが、淡水線の北投〜新北投間は新北投支線、新店線の西門〜中正紀念堂間は小南門線、同七張〜小碧潭間は小碧潭支線、板橋線と土城線、南港線はセットで板南線(通称「藍線」)と呼ばれることが多いので、本文でもそのように表記したいと思います。
 
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 台北捷運で使われている車両は、新交通システムである木柵線を除いてすべて共通。誤乗を防ぐため、側面の窓下に運行区間を示すステッカーが貼ってあります。
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 乗客が比較的少ない新北投支線に投入された車両。短編成化にあたって不足した先頭車を中間車の改造によって捻出したため、このような厳つい面構えとなりました。
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 台湾でも2000年から車体全面を使った広告電車が走るようになりました。賛否両論があるようですが、同じような列車ばかりが来る中で良いアクセントになっていると思います。
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 台北捷運の路線のうち、木柵線だけはフランス製の新交通システムを採用しています。開業当初はトラブル続出で大変だったみたいですが、現在は比較的安定しているようです。
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 木柵線はコンピューターによる無人運転を行っているため、先頭車では迫力ある展望を楽しむことができます。ただし、パノラマシートは人気も高いので、席取り競争は熾烈です。
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 木柵線の各駅には、東京臨海副都心の「ゆりかもめ」や大阪南港のニュートラムのようなホームドアが設置されており、電車が来たときだけ扉が開く仕組みになっています。
 
2.運行系統
 運行系統は、板南線、新北投支線、小南門線、小碧潭支線、木柵線は単純に列車が線内を往復するだけですが、淡水線は中和線及び新店線との間で相互に乗り入れを行っており、淡水〜新店間を走る列車と北投〜南勢角間を走る列車が交互に運転されています。運行ルートの詳細については、台北捷運のサイト中の「路線資訊」に路線図等が載っているので、そちらも併せてご参照下さい。
 なお、台北捷運ではすでに開業している7路線の他、台北市の北東部にある内湖區や西部の三重市、新荘市、蘆洲市などでも新線を建設中です。このあたりの計画は臺北市政府捷運工程局のサイトに詳しいので、興味のある方はどうぞ。
 
3.切符の買い方(台北捷運編)
 台北捷運のシステムは、香港やシンガポールの地下鉄に酷似しており、慣れてしまえば切符の購入は非常に簡単です。唯一、日本人旅行者が引っかかりやすいのは、自動券売機にコインを入れる前に金額のボタンを押すというところでしょうか(先に金額ボタンを選択しないと硬貨が投入できないようになっています)。これさえ間違えなければ、後は券売機に書かれている順番に従って必要な額のコインを入れ、「取票口」から切符と釣り銭を受け取れば完了です。
 台湾鐵路局と同様、自動券売機では紙幣は使用できませんが、台北捷運の場合は切符売り場の近くに両替機(兌換機)が設置してあるので、小銭がないときはこちらを利用しましょう。この兌換機、一度使ってみるとなかなか便利なアイテムで、私は手持ちのコインが少なくなってくると、定期的に台北捷運の駅へ行って両替をしています。台湾では自動販売機や路線バスの料金箱の多くが硬貨専用なので、小銭が必要になる場面ってけっこうあるんですよね。財布の中には常に一定量の硬貨をキープしておきたいところです。
 台北捷運の乗車券は、台湾鐵路局のような紙製ではなく、テレホンカードに似た磁気カードを使用しています。改札を出るときにこれを回収して、後で再利用する仕組みになっているので、カードを折り曲げたり、なくしたりしないように気をつけて下さい。万が一、切符を破損もしくは紛失した場合は罰金です。また、おそらくキセル防止のためでしょうか、乗車券に入場してから2時間の利用制限があり、オーバーした場合は超過料金を取られるので、こちらも注意が必要ですね。
 
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 自動券売機。先に金額ボタンを押してからコインを投入するようにしましょう(日本とは順番が逆になっています)。
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 兌換機(両替機)。各種紙幣を50元硬貨に両替できる便利な機械です。自動券売機の近くに設置されています。
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 台北捷運の乗車券。同じカードを何度も使い回しているので、ときどきボロボロの切符が出てくることも(^^;。
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 2002年6月からサービスが開始された悠遊[上/下](EASYCARD)。台北捷運と路線バス、公営駐車場等で使用することができます。
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 ちなみに、裏面は広告スペースとして最大限活用されているので(^^;、カード残額は悠遊[上/下]加値機などで確認して下さい。
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 こちらは學生、軍警用の悠遊[上/下](呉志賢さん提供)。デザインが普通[上/下]とは微妙に異なっているのが分かります。
 
4.ストアードフェアカードなど
 2002年6月より新たな料金収受の制度として悠遊[上/下](EASYCARD)の運用が開始されました。これはJR東日本の「Suica(スイカ)」や香港の「八達通(オクトパス)」と同じ、非接触式のストアードフェアカードの一種で、半導体チップ内蔵のカードに一定の金額(最高1万元まで)をプールしておくことにより、台北捷運と路線バス(台北市縣聯營公車)、公営駐車場などをキャッシュレスで利用できる、大変便利なシステムです。
 悠遊[上/下]の発行元である台北智慧[上/下]票證公司のサイトを見ると、普通[上/下]、學生[上/下]、優待[上/下]、敬老[上/下]、愛心[上/下]、愛心陪伴[上/下]など、びっくりするほど多くの種類のカードが並んでいますが、誰でも無条件で買うことができるのが普通[上/下]で、これ以外のカードは購入にあたって一定の資格と身分証明が必要となります(學生はともかく、軍人とか警察官とか言われてもねぇ…。(^^;)。
 悠遊[上/下]の販売場所は、台北捷運の窓口(詢問處)や、悠遊[上/下]のマークがある市内の便利商店(コンビニエンスストア)など。ちなみに、私は捷運台北站に設置されていた専用の自動発行機で入手しました。これだと筆談せずに済むので:-P。
 普通[上/下]の場合、最低500元から購入できますが、このうち決済に利用可能なのは400元で、100元はいわゆるデポジット(預り金)なので注意して下さい。使っている途中でカード残額が足りなくなったときは、駅構内にある悠遊[上/下]加値機や詢問處、加盟コンビニで追加チャージができます。金額の有効期限は最後にチャージしたときから2年間。なお、窓口で退会申請を行えば、デポジットと残金は返却してもらえるので、離台までにチャージした分を使い切れなかった場合も安心です。
 悠遊[上/下]の利用者を対象にした割引制度も用意されています。特に台北捷運については悠遊[上/下]を使って乗り降りするだけで、何と運賃が20%オフ。さらに台北捷運から路線バス、あるいは路線バスから台北捷運へ60分以内で乗り継いだ場合、プラス8元が値引きされる…といったダブルでお得なサービスも要チェックです。もっとも、後者については60分という制限時間がくせ者で、運悪く乗り継いだバスが後払い精算(下車収票)だったりすると、乗車した時点ではぎりぎり時間内でも、目的地に到着するまでに60分が経過して、せっかくの割引が失効してしまう可能性があります。まぁ、このへんは台湾らしい割り切りですね(^^;。
 
5.車内にて
 切符を購入したら日本の地下鉄と同様に自動改札機を通って入場します。ホームは照明が暗く一見物騒な気もしますが、某国の地下鉄のように危険なことはありません。それでも心配な方はホーム上にある「夜間婦女候車區」へどうぞ。ここのエリアはテレビカメラで常時監視されているので安心です。また、台北捷運のホーム及び車内では、タバコはもちろん、飲食の類は一切禁止。違反した場合は罰金1,500元を徴収されるので、注意するようにしましょう。
 なお、台湾鐵路局の列車は左側通行ですが、台北捷運は道路と同じ右側通行なので、乗車する際に方向を間違えないように気をつけて下さい。
 台北捷運は、初めての人でも分かりやすいように各種案内の類が充実しており、さらにユニバーサルデザインやバリアフリーの考え方を随所に採用するなど、旅行者に優しい乗り物になっています。女性や子供でも安心して利用できるので、見知らぬ町の中を一人で移動するのはちょっと…という方もぜひこれを活用して、台北の街を隅々まで味わい尽くして下さい。淡水で見る夕焼けなんかなかなか綺麗ですよ☆
 
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 ストアードフェアシステムの稼働に合わせて、台北捷運の各駅に設置された悠遊[上/下]加値機。100元単位で追加チャージを行うことができます。
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 コンコースに並んだ自動改札機。切符を機械に通した後、回転バーを自分で倒して出入りする仕組みです。慣れるまでは少し面倒に感じるかも。
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 板南線のホーム。日本の地下鉄と比べると照明が暗い感じがしますが、国際的にはむしろこれぐらいが普通で、特に危険ということはありません。
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 ホーム上に設けられている「夜間婦女候車區」。このエリア周辺はテレビカメラで監視されているので、夜間や早朝など人の少ない時間帯でも安心です。
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 車内の様子。千鳥状に配置された座席が特徴です。ただ、プラスチック製なので清潔感はありますが、座り心地のほうはいまひとつですけどね(^^;。
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 飲食禁止を示すステッカー。この他にも様々な注意喚起を促すためのシールが、ドアの周囲にこれでもかとばかりに貼ってあり、非常に賑やかです。
 
関連サイト
台北捷運 【Big5】
臺北市政府捷運工程局 【Big5】
台北智慧[上/下]票證公司 【Big5】

 


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