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2000/08/18
 呉念眞監督の映画『多桑』(日本語の当て字で「とうさん」と読みます)。戦後に大陸からやって来た「中華民国」に対して、当時の台湾人が感じていた身の置き場のなさが、衰退する金鉱に重ね合わされる形で描かれています。「大粗坑」はその『多桑』の舞台となった村で、映画を見た当初は架空の地名だと思っていたのですが、後で九[イ分]郊外に実在した集落であることを知り、夏の暑いある日、現地へ足を運んでみました。
 

【交通案内】 大粗坑
九[イ分]から瑞雙公路(縣道102號線)を雙溪方向へ進んで下さい。小金瓜露頭の入口近くに大粗坑に連絡する観光歩道があります。なお、沿道に商店や人家の類は一切ないので、水と食料の用意は忘れずに(九[イ分]から小金瓜露頭まで歩いて80分くらいかかります)。
昇福坑 
大粗坑から徒歩15分。観光歩道の侯[石同]方向に進むと、左手に坑口が見えてきます。

 

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2000/08/18
 画面に見える階段(金字碑通往九[イ分]人行歡光歩道)を下った先が、旧大粗坑があった場所とのこと。
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2000/08/18
 最盛期には300世帯、約1,200人が大粗坑で生活していたそうですが、鉱山資源の枯渇のために徐々に人口が減り、1979年にはついに無人の村に。それから20年余を経て、現在まで形を留めている建物はほんの数棟しかありません。周囲を見渡してみてもただ鬱蒼とした森が広がるばかり…他の家々はいったいどこへ行ってしまったんでしょうか。
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2000/08/18
 かつての小学校分校だと思われる建物。人の手が入らなくなるとこんなにも荒廃してしまうものなんですね。自然の回復力の凄まじさを改めて実感しました。
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2000/08/18
 やや消化不良の印象が否めなかった大粗坑ですが、帰り道に思わぬ収穫がありました。山間に続く観光歩道を侯[石同]の町へ向かって歩いていると、眼下に鉱山の跡らしきものが見えてきました。でも、この風景は以前にもどこかで目にしたことがあるような…そう、建物の外観や配置といい、背後の森や地形の感じといい、映画の中で主人公のセガ(多桑)が働いていた鉱山に雰囲気がそっくりなのです。
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2000/08/18
 坑口の近くに寄ってみて、それが映画『多桑』に登場する鉱山と同一ものであることを確信しました。阿燐が坑道内でダイナマイトを用いて自殺を図り、セガたちが救出に向かう場面や、物語の後半、衰退する金鉱でセガが一人で黙々とトロッコを押しているシーンなど、この場所で撮影されたと思われる映像の断片が脳裏に次々と浮かんでは消えていきます。
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2000/08/18
 真っ暗な坑道の中をのぞくと、入口近くに木製のトロッコが1両、ぽつんと停まっているのが確認できました。

 


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